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INTERVIEWER
こんにちは尾崎先生、よろしくお願いします。
尾崎則篤こちらこそ本日はどうぞよろしく!
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INTERVIEWER
尾崎先生はどのような授業をご担当されていますか。
尾崎則篤実験や演習なんかも含めていくつかありますが,いちばんコアになるのは「環境衛生学」「水循環管理学」ですね。環境衛生学は2年生向け科目で主に室内やいろいろな工場や作業空間の衛生管理について勉強します。水循環管理学は3年生向け,水環境保全のための政策と技術,その技術として最も重要な上下水道について勉強します。
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INTERVIEWER
尾崎先生は何について研究されていますか。
尾崎則篤都市の大気,水,地中での,いわゆる微量有害化学物質の発生とその先の動き方を,物質収支の発想で包括的に捉える事を大きな目標にして研究しています。今は特に下水管から,生活排水が老朽化によるひびわれなどを通して外部環境へ漏出する影響を探っています。
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INTERVIEWER
研究で心がけているのはどんなことですか。
尾崎則篤そうですね…。まず市街地という現場をよく歩き回り見てそこでじっくりと考えること,そして分析ではさまざまなノイズの影に隠れがちなわずかなシグナルを間違えなく捉えること,このふたつを大事にしています。そして両者を結びつけた物質収支解析を通して「これだけは間違いない」といえることをがっちり掴むこと,それを目指して奮闘しています。
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INTERVIEWER
実験ではどんな機械や装置を使っていますか。
尾崎則篤一般的な分析装置を別にするとまずガスクロマトグラフ質量分析計,これはさまざまな微量な有害物質の分析が可能です。あとはルミノメーターという分析機器です。これはサンプルからは生じる光を読み取るものですが,発光細菌という細菌がいるんですが,これは自分自身でちょっと緑っぽく光るのですが,たとえばその光の強さを測定するのです。この菌を利用して水の毒性を測ります。この菌が汚染された水に接触すると汚染の影響で光が弱くなります。その弱まりが水の毒性の強さとなるわけです。生物検定試験と言われるものの一種です。
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INTERVIEWER
なるほど,そういう装置を使って汚染の原因をさぐるのですね。
尾崎則篤はい。たとえば生活排水の漏出というのはちょっとくらいあっても他の汚濁と混ざってそれとわかりにくい。ここだ!というためにはいろいろ工夫が必要になります。さまざまな,混ざった原因をちゃんと区分けするためにこれらの分析装置の力を借りるわけなのです。
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INTERVIEWER
ところで尾崎先生は今年4月からこちらへ赴任されましたよね。県大に来た印象はどうですか。
尾崎則篤初めてこのキャンパスに訪れたのは実は12月の末,講義期間も終わったあとでした。文字通りとっても寒かったですね。学生さんもあまりいなくて正直ちょっとさみしい印象を受けました。でも4月にやってきたら自然に囲まれた,ゆったりとした春のキャンパスの,華やいだ美しさに驚きました! 新学期になったら学生さんもやってきて,活気が出てきて,いいところだなあ,と思いました。印象的だったのが,学生さんがみんなとてもはきはきと挨拶をすることです。建物内を歩いているだけでもにこにこした気分になります。いいところに来たなあ,と思いました。
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INTERVIEWER
本日はお忙しいところどうもありがとうございました。
尾崎則篤こちらこそ! これから頑張っていきますのでよろしくお願いします。