PCRを活用した環境科学分野(一例)について
PCRを活用した環境科学分野(一例)について
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの際、「PCR検査」という言葉が日々の生活を送る上で頻繁に用いられ、そして実際にその検査を受けられた方も多くいらっしゃると思われます。
「PCR」とはPolymerase Chain Reactionの略であり、特定の遺伝子の領域を増幅する方法です。「遺伝子」とあるため生命科学分野のお話では、と思われる方が多数かもしれませんが、実は環境科学分野でもPCRは活用されているのです。
その一例としては、やはり、新型コロナウイルス感染症の流行状況を把握する上での下水の調査があります。これは下水処理場での下水中に存在する新型コロナウイルスをPCRにより検出するため、その地域での新型コロナウイルスの蔓延状況を把握できます。下水を用いたPCR検査の実施はクラスターの発生を早期に検知することができ、感染の拡大を未然に防ぐことが可能となります。そのため下水処理場は水質の維持・管理ばかりだけではなく、近年は感染症対策の最前線としての一面も持ち合わせています。
新型コロナウイルス感染症だけではなく次なるパンデミックのリスクの評価に加えて、環境科学分野でのPCRの活用は多岐にわたっています。動物の行動や生態の把握、今年度は特にクマの個体識別や行動範囲の特定、そして土壌などの環境中や水道管などのインフラに存在する微生物の集団の詳細な把握などがその代表例となります。
環境科学分野では数学・物理学・化学・生物学などを別々の色として取り扱うのではなく、必要に応じてそれらの色を少しずつ混ぜ合わせ、そして時にはその度合が異なることで多彩な色の表現がなされている分野なのです。
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大学院生らの研究成果が国際誌に掲載
大学院生らの研究成果が国際誌に掲載
本研究室の博士後期課程を修了した鈴木裕之博士((株)鈴研))および在学中の修士課程の大学院生らによる過酢酸を用いた下水中のClostridium属菌の消毒に関する研究の成果が、Water Science and Technology誌に掲載されました。
大学院生らが精力的に実験に取り組み、有機物が多量に存在する下水放流水中での過酢酸の消毒効果、特に塩素消毒の効果の低い芽胞形成菌であるClostridium属菌やその中でも病原微生物であるC. perfringes (ウェルシュ菌)を含む細菌群に対する消毒効果と、過酢酸耐性のClostridium属菌の存在を明らかにしました。
Hiroyuki Suzuki, Masataka Tomozawa, Tsuyoshi Shinohara, Mayuko Yagishita, Kenji Oonaka, Atsushi Hashimoto (2024) Disinfection of sulfate-reducing clostridia, including Clostridium perfringens, in sewage effluents using peracetic acid, Water Science and Technology, 2024, 90 (5): 1577–1588.
https://doi.org/10.2166/wst.2024.278
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建築物のCO2排出量等の環境影響を評価するためのガイドライン「建物のLCA指針 改定版」が公表されました
建築物のCO2排出量等の環境影響を評価するためのガイドライン「建物のLCA指針 改定版」が公表されました
近年、脱炭素・カーボンニュートラルなどの言葉に代表される、環境負荷の削減が喫緊の課題となっています。CO2排出量などの排出量を定量化(数値化)するためには、LCA(ライフサイクルアセスメント)の実施が不可欠です。
3月11日に、日本建築学会から、建築分野におけるLCAの指針である「建物のLCA指針」の改定版が公表され、講習会が実施されました。この改定版は日本建築学会 地球環境委員会傘下のLCA小委員会(主査:小林謙介)によって作成されたもので、評価のためのガイドライン(指針)・原単位データベース・評価ツールなどから構成されています。
建物のLCA指針はこれまでも我が国の建築業界のデファクトスタンダードとして多岐にわたって活用されており、我が国における建築業界の温暖化等の環境影響評価の礎になっています。本改定版も、今後様々な場面で活用されることが期待されます。
本内容の作成にあたっては、小林研究室で実施した研究成果が多数盛り込まれました。また、本改定版の執筆は、小林謙介准教授が中心となって行いました。
*写真は講習会で登壇する小林准教授
✓建物のLCA指針(日本建築学会 地球環境委員会 LCA小委員会)
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